無常迅速アナキズム

◎無常迅速とは量子のように無常が迅速にあらわれては消えること。われの速度だけで世を眺めれば、そこにはわれの速度で測れるものしかあらわれない。だが世はいつも互いに異なる速度のものが飛び交っているが、それらがすれ違っても互い...

日日是遊行

◎日日の暮らしを日記などオート・ライティングする場とすれば、日日がそのまま遊行となる。家なるものにとどまることなく、栖とともに遊行すると見立てればよい。すると幾分身が軽くなり、とどまるために求めることも少なくなる。オート...

環世界たちの調べ

◎環世界は完全に分たれているのではない。ヤーコブ・フォン・ユクスキュルの『生物から見た世界』を見ると、生物はみな自己世界に暮らす孤独な生き物と見られがちであるがはたしてそうか。環世界と環世界のあいだのぼやけが、分かれつつ...

茶ノミ 茶カハ

◎柳宗悦に「茶ノミ 茶カハ」という偈がある。およそ「茶だけを茶だと思う人は、茶を茶にしない」という意であるが、ここには逸れていく感覚、境をふらつく感覚がある。ふらついているのはいまそこにぶら下げられている「茶」で、それは...

いま、ことばは

◎いま、ことばはいったいどうなっているのか。AIの浸透につれ、ネットのなかはAIが発することばで溢れるようになった。ことばがことばからただ増殖していく。気がつくと周りはそんな「消息なきことば」で溢れかえっている。どうやら...

三律条々

一、本は茶室のようであれ。一、読書は風のようであれ。一、物語は息のようであれ。 ◎誰も此の身から出ることは叶わない。利休は茶室を此の身のうつし《器》とし、其処を出入りした。それが待庵だった。そのなかを此の世そのものが寂び...

書物を庭に埋めるとき

ふと 庭が寂しそうと思った 別段花が咲いていなかったわけではなく 梔子が枯れかかっていたわけでもない ただ三日月の光を浴びている庭が どこか唇を結んで天を仰いでいるようだった それで書斎の奥からいまは触れることもなくなっ...